メンヘルと闘うリーマン四方山話

こんにちは。よそふると申します。当ブログへようこそ。社会人になって数度のメンタルダウンを経験。その経験談をよもやま風に語りながらこの社会をしたたかに生き抜くヒントを見つければと思います。

撤退と敗走

 前回のブログで「管理者の代わり」と題して記事を綴りました。言いたかったことは、管理者などの役職について責任のある立場の方も休みましょうよ、ということです。『滅私奉公』とか『奉仕の精神』など聞こえは良いですし、美辞麗句的な意味合いもあるかもですが、身を削ってまでその身を捧げるものはそうは多くないのではないかなと思います。少なくとも勤務している会社に対して奉仕の精神は持たない方が良いと考えます。

 ひと昔前であれば、それこそ松下幸之助氏のような経営者がいた時代であれば、終身雇用・家族型経営といった従業員だけでなく従業員の家族までその企業の一族として、従業員が退職するまで、いや年金制度まで踏まえれば退職後も企業が面倒を見るということがありました。いわゆる日本型経営。ここまでしてもらえれば、雇われの身としても企業に尽くそうという使命感が産まれても不思議ではないでしょう。

 しかし現在は全く違います。世の中が加速度的にグローバリズム化されていく中、企業も従業員一人ひとりを、増してやその家族までをも面倒を見る余裕はなくなりました。むしろ早期退職を募るくらいです。言い方を変えれば、集合から個の時代へ変容したということでしょう。つまり従業員を守るのは自分自身であるということです。

 これは管理者、経営幹部も同じです。そして個を守るための大前提は心身が健康であることです。病気にならないようにするための自己防衛、いわゆる予防医学で言うところの『一次予防』に力を入れるべきと考えます。その次に病気になりそうなとき、病気になったときにおけるそれぞれの『二次予防』『三次予防』の知識が重要となってきます。

 『一次予防』のミソは病気にならないための取り組みであり、その取り組みの一つが上手に休養を入れるということでしょう。心身ボロボロになるまで会社に貢献しても正直誰も褒めてくれませんし、それで心身を壊してしまえば元も子もありません。まさに軍事面における『敗走』というやつです。これに対して、心身が崩れる前に休養を入れ鋭気を養う。ロールプレーイングゲームで言えば、パーティが無理をせず宿屋で休息しHPを回復するといった具合です。これは軍事面における『撤退』となります。そうです。忙しい最中にこそ休息をとること、これが勇気ある『撤退』となるのです。

 『撤退』と『敗走』は全然意味合いが異なります。『撤退』は計画的です。事前に対策が打てます。疲弊が見える管理者に計画的に休みを取らせることに合わせて、その期間だけ別の人が管理業務を行うように事前手配する。このように対策を打つことで組織のパフォーマンスも維持できます。それに対し『敗走』は突発的です。ある日突然に疲弊した管理者が戦線離脱して長期不在となってしまう。それもいつ戻ってくるか分からない。職場としては不在期間の対処を全く打てておらず、その対処は後手後手に回ってしまう。結果、組織全体のパフォーマンスにも大きく影響を及ぼす。こういったことが起きてしまいます。

 勇気ある『撤退』。この言葉を常に頭の片隅に置いておきたいと思います。

 では、また次回にて。

 byよそふる