メンヘルと闘うリーマン四方山話

こんにちは。よそふると申します。当ブログへようこそ。社会人になって数度のメンタルダウンを経験。その経験談をよもやま風に語りながらこの社会をしたたかに生き抜くヒントを見つければと思います。

聞くと聴く

 前回のブログで「聞く力」について記事を綴りました。メンタルヘルスマネジメントにおいては、メンヘルになった方、なりかかっている方とのコミュニケーションをとても大切にします。ラポールという信頼関係を相談者と相談を受ける側が形成することが大きなポイントです。これは、職場の人間関係(当人と上司、当人と同僚)だけでなく、当人と産業保健スタッフ、当人と人事労働担当者、当人と主治医、等々、あらゆる人間関係で必要となる考え方です。

 ここで相談を受ける側が求められるスキルが「聴く力」いわゆる「傾聴力」というものです。「聴」という字は、”耳”に”目”と”心”を”+(プラス)”する形で成り立っています。この言葉のとおり、単純に耳だけでなく、目と心を使って五感で相手が言わんとすることを感じるということです。ちなみに「聞く」は音などが耳に入ってくるという意味合いになります。

 この言葉の意味合いを比べるだけでも「聴く」の重要性はかなりイメージできるかと思います。カウンセラーなど相談を受けることを生業とするプロの方になれば、この「聴く力」は凄いものがあると思います。私自身も職場で管理監督をする管理者という立場もあり、このコミュニケーション能力、特に相手の言わんとすることを「聴く」ということに大いに力点を置いて仕事を務めてきました。「聴こう」と意識するだけで、専門の訓練を受けていなくても、それなりに感じることができます。特に日本人は目でモノを語ることが得意な人種であるため、相手の目の動きや輝き、顔の表情や仕草などからもどのような心理にあるのかを読むようにしています。そして、ここに落とし穴がありました。

 今回のメンタルダウンの理由。ストレッサーは職場の業務であり、職場の雰囲気であり、そこに付随する人間関係であり、様々なものが複合的に絡んでいますが、一番大きな要因は自分自身の「聴く」姿勢にあったのだと考えています。聴き過ぎたと言っても良いでしょう。日々終わりのない繁忙な状況の中、職場の雰囲気は疲弊し、一緒に働いている社員たちの士気は上がらず、厭世的な雰囲気が蔓延していました。当然、社員一人一人のフラストレーションも溜まる一方で、私としては出来るだけ一人でも多くの社員とコミュニケーションを図りその人の悩みや不安を「聴く」ことに努めてきました。

 しかし、聴くのは良いが即効性のある解決策があるわけでもなく、聴くことによって発生した負のオーラが自分自身の心の奥底に少しずつ溜まっていったのだと思います。自分の処理消化しきれないくらいの負の感情が自分自身の身体を蝕んでいき、その先に待っているものがメンタルダウンだったというわけです。

 長くなりましたので、続きはまた次回にて。

 byよそふる