メンヘルと闘うリーマン四方山話

こんにちは。よそふると申します。当ブログへようこそ。社会人になって数度のメンタルダウンを経験。その経験談をよもやま風に語りながらこの社会をしたたかに生き抜くヒントを見つければと思います。

プレゼンティーズム

 昨今、健康経営という考え方が重要な経営戦略として注目されています。健康経営とは、「従業員の健康保持・増進の取り組みが、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と定義されています。固い文章ですが、要は「企業の収益性を高めるには従業員の健康を考えないと立ちゆきませんよ」と言っています。

 健康経営を語る上で「アブセンティーズム」「プレゼンティーズム」という言葉があります。聴きなれない言葉かもですが、健康問題に起因したパフォーマンス損失を図る指標です。アブセント(欠席)、プレゼント(出席)という意味合いから何となく想像できるのではないかと思います。アブセンティーズムは健康問題による病欠で働いていない状態。パフォーマンスはゼロですね。これは指標は図りやすい。では、プレゼンティーズムはどうかというと、欠勤するまでには至っていないけれど、健康問題が理由で明らかにパフォーマンスが落ちている(損失している)状態です。

 文章にすると固い感じになるのですが、例えていえば、花粉症などによる鼻づまりで頭がぼーーーっとして仕事に集中できない、二日酔いで気持ちが悪い、寝不足でフラフラする、頭痛がひどく集中できない、発熱が頭が回らない、等々。日常的によく発生している事象です。おそらく多少の無理をすれば出社できる状態。でも出社しても作業効率や集中力の低下を誘発し、ケアレスミスも起こしやすい、最悪は事故を起こすといったことが考えられます。これはメンタルヘルスでも同じようなことが起こり得ます。

 以前のブログで仮面うつ病について綴りました。仮面うつ病は肩こりや頭痛など身体症状が表に出過ぎてそのこの要因であるうつ病が隠れている状況です。多少の無理をすれば出社できるが、どうも今一つノリが悪い。調子が出ない。判断が遅い。集中力が続かない。結果としてパフォーマンスは本来のそれより低下するのみ。これぞプレゼンティーズムだと思います。客観的にも明白なうつ状態であれば周囲も早期に気づいて病院受診とか勧めたりすることで、早めに療養につなげることもできます。しかし仮面うつ病は自他ともに気づきにくい。手ごわいですね。

 プレゼンティーズムが発生する要因には日本社会に根強く残っている「多少無理をしてでも出社する」という古い企業風土が関係していると言われています。確かに日本人は真面目な気質と思います。その真面目さが多少の無理をさせてしまうのかもしれません。でも、無理をしても誰も褒めてはくれませんし、その結果として身体を壊してしまっては報われませんよね。自分なりにいつもとパフォーマンスが違うなと違和感を持ったら、勇気をもって休養を取るということを実践したいところですね。自分に優しくして吉です。

 では、また次回にて。

 byよそふる