携帯電話料金
先日、NTTドコモが新しい料金プランを発表しました。
5G対応で、2,980円(税抜き)。うん、思い切りました。今年4月から本格的に携帯通信事業に参入した楽天モバイルの料金プランとほぼ同じ内容です。
これは携帯通信事業の新しい時代の幕開けとなりそうですね。
現代の生活において携帯電話は必要不可欠となっています。昭和の時代は家庭に1台の固定電話が普及していく時代でした。平成に入り携帯電話が登場し、料金プランの値下げとともに企業から一般人まで普及が広まってきました。
普及に当たっては、電話だけでなくインターネットを利用できるようになったことが大きな要因でした。iModeの登場は一挙に携帯の可能性を上げた側面があると思います。そして、通信インフラと携帯本体の性能向上がより利便性を押し上げ、今となっては一人ひとりの生活基盤に欠かせない重要な生活必需品となっています。
常に使う携帯であるからこそ、その料金プランは重要です。安いに越したことはありません。これまでNTTドコモ、ソフトバンクモバイル、au(KDDI)という大手キャリア三社の言わば寡占状態だった業界に、今年に入ってから楽天モバイルが参入してきました。楽天の通信エリアは正直、発展途上だと思いますが、その料金プランは月額2,980円(税込み)と他キャリアに比べて大変魅力的です。
楽天が仕掛ける市場競争に、他の大手キャリアがどのように対応するか注目されてきたところです。そして、ついにNTTドコモが反応しました。楽天と同じ料金2、980円でのカウンターパンチです。これは結構、世間の反応は良さそうです。色々なコラムニストさんがドコモと楽天の比較をしたり、何かしら落とし穴がないか探られているようですが、今のところ大きな穴は無さそうです。
もちろんサービス開始は来年3月からということですので、詳細が明らかになるのは(ドコモが詳細を明らかにするのは)これからです。細かい部分では詰め切れていないところもあるかもしれませんね。まずはアドバルーン的に料金を提示して、自社のユーザの囲い込みもさることながら、他キャリアユーザへの呼び水的な意味もあるのでしょう。新サービスのプロモーション戦略としては上手かったのではないかと見ます。
これからの携帯通信業界の動きを予想してみます。おそらくソフトバンクモバイル、au(KDDI)も同じ動きをしてくるでしょう。と言いますか、せざるを得ません。携帯は電話やインターネットを利用するためのただのデバイスであり、安定して利用できるのであればキャリアはどこでも良いからです。となると、やはり決め手は料金となります。
では、楽天はどうするか? おそらくもう少し値下げ的なサービスを拡大するのではないでしょうか? この4月にサービス開始したとき、余力のないまま市場に入ってきたとは思えません。楽天のメイン事業を楽天市場だと見れば、楽天モバイルを楽天市場に絡めないわけがありません。すでに楽天モバイルの利用料金につき1ポイントの楽天ポイントがつくサービスを始めています。であれば、キャンペーンなどで1ポイントを10ポイントに上げるサービスも有りうるでしょう。これは独自の仮想モールを持ち、かつ楽天ポイントという独自の電子マネーを持っている楽天の強みです。
それに対してドコモはどうするでしょう? 果たしてdポイントでどこまで対抗できるでしょうか。ここは経営側の手腕が問われます。NTTグループは独自の仮想モールを持っていないので、どこかとタイアップするなどしないと、ちょっと弱い感じもします。ましてやこの9月のドコモ口座の事件もあり、金融が絡む部分は未知数ですね。言い方を変えれば伸びしろでもあります。ドコモがNTTの完全子会社となったので、NTTグループ全体で何かしら仕掛けるかもしれませんね。
そこにソフトバンクとauがどう絡み合ってくるか、大変興味深いです。気になるのは格安SIMの動きですが、これは低調になるかもしれませんね。キャリア4社に比べればその料金プランはその名の通り格安で美味しいのですが、自分で色々セットする手間とかを考えれば、一般素人には少々手を出しにくいのは否めません。格安SIMは一部のコアユーザが利用する独自路線に特化していくかもしれません。その代わり月額500円とか出てくるかもですね。それはそれで魅力的です。
生活インフラとして欠かせないモノとなった携帯。
楽天が参入し、ドコモが仕掛けた携帯市場。そして他はどう動くか?
ゲーム理論ですね。想像するだけでワクワクします。
今後の展開に目が離せなくなってきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。